剣盾は時間無制限のシングル66ができない環境だったため諦めていたところ、仲間大会を活用することで実現可能にするという画期的な発見がなされ、喜び勇んで参戦しました。
シングル66は初代赤緑時代から一貫してプレイしてきたルールで、第4世代(DPt)では各種掲示板での大会で優勝・入賞、その後も身内でのオフ会での大会での優勝や、第6世代(XY)でのインターネット大会「カントークラシック」では85位/32,220人を記録するなど、それなりの自信はあったのですが、結果は1勝4敗で予選敗退。全体のレベルの高さを痛感しましたorz
構築記事については、結果を残した人が書ける特権という認識を持っており、予選敗退者の構築が参考になるとはあまり思えませんが、シングル66の普及の一助になればと思い、柄にもなくしたためてみます。
【使用パーティ】
※途中から、環境に合っていないと感じつつも、今回は敢えてこの6匹を使い続けました。
【コンセプト】
シングル66は序盤は相手の攻撃をしっかり受けた上で、中盤〜終盤にエースポケモンで抜いていくという戦い方が強いと思っているため、物理受けにドヒドイデ、特殊受けにハピナスを据え、羽休めで誤魔化しつつボルトチェンジで立ち回れるサンダーの3匹に、ほぼ受けられるポケモンがいない鉢巻き暗黒強打ウーラオスを主力として採用、このウーラオスを素早さ面で支えたいのでねばねばネット要員としてツボツボ、最後に電気・地面の一貫性を切れダイマックスエースとなれる霊獣ランドロスを入れパーティを完成させました。
【個別解説】
○ウーラオス(一撃の型)@拘り鉢巻き 特性:ふかしのこぶし
意地っ張り、HP4、攻撃・素早さ252
暗黒強打、インファイト、毒突き、不意討ち
拘り特化暗黒強打は防御特化ドヒドイデですら確定2発となり、後出しから受けられるポケモンがほぼいないため、釣り出し交換などで有利対面を作ることを心掛けた。
ツボツボのねばねばネットを絡めることで上を取れる相手が増え一方的に有利になることを見込んでいたが、案外相手にもねばねばネット使用者が多く目論見が外れたほか、ゴツメピクシーやオボンペロリームなど2発で落とせないフェアリーポケを用意している方もいて、しっかり対策されるとダイマックスを切ってでも突破するか難しい選択を迫られた。
大会優勝者がほぼ同じ構成(毒突き⇔アイアンヘッド)を使用しているため、今後はメタが増えて動かしづらくなるかもしれないが、それでも環境トップの強さに変わりはないと考える。
○ランドロス(霊獣フォルム)@オボンの実 特性:威嚇
意地っ張り、HP252、攻撃36、防御188、特防4、素早さ28 ※とある方の調整を参考。
地震、空を飛ぶ、岩石封じ、剣の舞
序盤〜中盤は、地面と電気の一貫性を切りつつ、物理へのクッションとしつつ、試合終盤には剣の舞からのダイジェットで勝負を決めるダイマエースを想定していた。実際はなかなか剣の舞を決める状況にならず、渋々素でダイマを切りカイリューに受けられるケースや、高度な交換読みや交換読み交換を迫られる場面が多発し、何度かダイマックスターンを無駄にしてしまった。
○サンダー@厚底ブーツ 特性:プレッシャー
図太い、HP252、防御196、素早さ60 ※素早さ1段階上昇で最速アーゴヨン抜き
ボルトチェンジ、防風、熱風、羽休め
剣盾はランクマッチをまともにやっていなかった(リボン付けて終了)こともあり、サンダーをほとんど使ってこなかったが、剣盾=サンダーgという印象のため、今大会で使用。サイクル意識でボルトチェンジにしたが、ドヒドイデやテッカグヤ等の倒したい相手に居座れなかったため、10万ボルトや放電の方が良かった気がする。
また、ガラルヤドキングが強く、サンダーが完全に受けられてしまう上、ボルトチェンジをすると裏に負担がかかってしまい厳しかった。相棒のカイリューを外してまで厚底ブーツを持たせて採用したが、期待通りの活躍とは程遠く、型については再考の余地ありと感じている。
○ドヒドイデ@黒いヘドロ 特性:再生力
図太い、HP・防御252、特防4
熱湯、毒びし、黒い霧、自己再生
ウオノラゴンやウーラオス(連撃)等を受ける枠。再生力によりサイクル戦にもマッチしている。毒びしを撒いて相手の受けポケモンを削りつつ、ウーラオスの火力の範囲に押し込むという動きを想定していたが、予想していた以上に相手パーティに毒ポケモンが多く(1匹以上は入っている)、腐ってしまった。ひょっとしたら相手に毒ポケモン交換を迫るという効果はあったかもしれないが、それを上手く活かす動きは取れなかった。黒い霧も特に活かせる場面が少なく、お守りになってしまったため、素直に毒毒とトーチカで良かった気がする。
○ハピナス@食べ残し 特性:天の恵み
図太い、HP4、防御・特防252
トライアタック、地球投げ、身代わり、卵産み
特殊受け。当初ガラルヤドキングの採用も考えたが、ダイマックス珠サンダー等を意識して正面から受けきれるハピナスを採用。身代わりを盾にドヒドイデやナットレイを見たり、交換で出てくるウーラオス等の物理ポケにトライアタックで異常状態を入れる作戦だったが、4割の確率にもかかわらず、大会中状態異常を引くことは一度もなかった…。自然回復の方がドヒドイデ相手に気にせず後出しできたり、ガラルヤドキングから毒をもらっても平気なので、無難に強いと感じた。
攻撃技はできるだけトライアタックだけを使い、ぎりぎりまで相手に地球投げを見せないことで、居座るカプ・レヒレやヒードランを急襲する動きが効果的だったが、いくらトライアタックをしても状態異常を引かないので、地球投げに移れずモヤモヤした。物理相手に張り合うこともできたので、もう少し運が向いていれば面白かったかもしれない。
対戦相手の方から話を聞く限り、このポケモンが一番相手に圧力を掛けられていた模様。
○ツボツボ@レッドカード 特性:頑丈
図太い、HP・防御252、特防4
ステルスロック、ねばねばネット、叩き落とす、アンコール
初手要員。ウーラオスを通すことがコンセプトなため、ねばねばネットは必須(第7世代(SM)後期でもねばねばネットアブリボンを使うなど、この技の有用性は感じていた。)且つ66ではステルスロックも撒きたいため、この二つを両立できるツボツボを採用。基本的に初手で出したが、アイアンヘッド怯みの危機にさらされ心臓に悪かった。
レッドカードについては66戦では裏のポケモンが5匹いるため、案外こちらに不利になるポケモンが出てくる場合も多く、また、序盤ですぐ倒されるため、実質5−6の状態で試合が始まることになるが、今大会は相手もペロリーム等のねばねばネット要員が一定数いたため、こちらだけが素早さで優位に立てず、この枠はあまり適当でなかったと感じている。
【全体の感想】
・時間無制限は良いが、持ち時間が10分と短く、序盤に長考すると中盤〜終盤にかけて時間が無くなってしまい、1分将棋の如くろくに考えずにコマンド選択することになり厳しかった。実際、初戦は時間切れで負けてしまったし、今大会の決勝トーナメントや別途開催された大会でも時間切れで勝敗が決することがあったと聞く。このあたり、ゲーフリがシングル66を想定していないためと思料するが、初代からの由緒あるルールなのでもう少し何とかしほしい。
・パーティのコンセプトが上手く通用せず、全体的に苦しい戦いを強いられた。特に相手にもねばねばネット持ちが多かったことや、毒ポケモンの使用率が高く毒びしが通らないことで、展開的に優位に立てなかった。
・自分はランクマッチをあまりやってこなかったせいか、ダイマックスの使い方、いなし方が未熟で、相手の方の立ち回りに不覚を取ることが多かった。
・レートバトルが導入された第5世代(BW)以降、公式のシングル66環境がなくなり、身内同士でしか66戦ができなかったが、今回新しい環境に身を投じ、多くの強い方と対戦ができたことは、モチベーションの向上だけでなく実力向上にもつながると確信できたのが最大の収穫。今回は構築記事はほぼ敗者の弁になってしまったが、次の大会があればリベンジしたい。
・厚底ブーツは非常に有用。カイリューやサンダーとの相性が良く、ステルスロックが当たり前の66戦ではポケモンの使用感を大きく変える。むしろステルスロックを入れたいポケモンにダメージが入らないので、撒かなくてもよいくらい画期的なアイテム。
最後に、これが一番重要なことで、シングル66はとても楽しいルールなので、少しでも競技者が増えれば嬉しいです。
皆さん是非やりましょう!練習試合も歓迎です。